第二章 困惑

第二章 ~困惑~ 気にしないように

唐突に嘘の告白をして以来、お兄ちゃんからの連絡はなかった。 困っていたのか、避けられていたのか、それは分からなかった。 でも一つだけ言えることは、彼には、由香を好きだという気持ちは、毛頭なかったのだということ。もし、少しでもそんな気持ちがあ…

第二章 ~困惑~ 疑問と後悔と困惑と

由香は、ある恋に破れ、恋する心を失っていた。 元々人間不信だった由香にとって、やっと出来た、親友でもあり、恋人でもあったその男に、二股かけられて裏切られたことは、かなり大きな傷となって残っていた。 それ以降、誰とつきあっても自分をさらけ出す…

第二章 ~困惑~ 嘘の告白

由香は冷静な顔をして、言い訳の代わりにため息を一つついて言った。 「好きな人なら、いるよ」 「嘘つくなよ。誰だよ」 しばしの沈黙の後、真っ直ぐに彼を見て言った。 「あなたよ、お兄ちゃん」 『おいおい、冗談やめてくれよ』と笑ってくれるお兄ちゃんを…

第二章 ~困惑~ 好きな人?

本当のことを話そうかと思った。 実は相談することなんて何もなかった…と。 でも、それでは彼が急いで駆けつけてくれたことが無駄になってしまう。 由香は仕方なく、一つだけあった悩みのようなものを口にした。 「高校の時、つきあってた人がいたの」 「彼…

第二章 ~困惑~ 相談

「この車、1年前に新車で買ったんだ。母親一人の給料でやってる我が家では、新車を買うなんて一大イベント。だからこの車がうちに来た時、すごく嬉しくてね」 お兄ちゃんがそんな話を切り出したことで、沈黙した場が少し和んだ。 「そっか。私ね、車が大好…

第二章 ~困惑~ 彼からの電話

「また電話する」 別れ際の彼のそんな社交辞令のような言葉を、真に受けた訳ではなかった。 しかし、その電話はちゃんとかかってきた。 お兄ちゃんに、自宅まで送ってもらったあの日から、数日後のことだった。 「もしもし?俺、俺」 「俺って誰?」 「いろ…